お盆やお彼岸にはお墓参りをして、それ以外の時期にもこまめに訪れて草を抜いたりお供え物を入れ換えたり、墓石を磨いたり、もしもお墓を持っていたら管理が大変です。
人家とは少し離れた場所にあるのが一般的なため年齢を重ねると訪れることさえ難しくなるでしょう。
そうでなくとも最近は若者は都会に出て行ってしまうので、残っているのは年寄りばかりになります。
都会に住んでいる方も、土地の値段はどんどん上がるばかり、不況の現在では土地代と墓石代を工面するのが難しいという方だっています。
そんな方々の間で広まっているのが永代供養です。
お墓は置かず、寺院や霊園が遺骨を預かり、「永代」すなわち期限を設けずいつまでも供養してくれるのです。
永代お願いするとなるとお値段も高くなりそうですが、土地代と墓石代を合わせるよりも安くお願いすることだってできるのがメリットです。
もしも遠くに引っ越していた場合や年とって車が使えなくなると電車代やタクシー代もかかります。
お花やお供え物・線香代なども考えていると永代供養の方がかなり割安になるのです。
なぜ安く済むかというと、永代供養が合祀・すなわち共同での埋葬となるからです。
費用の面ではメリットですが、先祖代々のお墓を自分たちで守っていく・亡くなった遺族と向かい合うという本来のお墓参りはできなくなるのはデメリットです。
そのため、永代供養に抵抗を示す方だって少なからずいるのです。必ず家族や親族の間でよく話し合ってから決めてください。
このことが原因で揉め事に発展するケースだって少なくはないのです。すでに合祀で供養された後は、骨壷からは出されて誰かも知らない他人たちと一緒です。
途中で「やはりお墓を作って一般的な方法で埋葬したい」と告げてももう二度と遺骨を取り出すことはできないのです。
たとえ今はお金がなくてお墓を作るのは難しいと言っても、一定期間であれば遺骨を預かってくれるような寺院も増えているので、一端はそちらに預けてゆっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
永代供養でも一般的なお墓でも、どちらもメリットデメリットがあります。
自分たち家族や親族にとってはどのような供養の方法が一番向いているのか、それはしっかり話し合ってみないと結論は出ないはずです。
無理にお墓に入れても、管理する人がいなければすぐに草が生えたり墓石が汚れてきたりしてみすぼらしく朽ち果ててしまいます。
必ずしもお墓を作ることだけが良いとも限らないのです。
親戚同士で争ってご先祖様が悲しまないように、生きている我々が少しでも良いと思える形が取れるようにしましょう。